らくらくらいふ

おだやかでおちついたきもち、それだけ

私はもういないんだ

心臓が躍動している

布団の中から1歩も動けずに

明日を悲観している私の中で

不自然なくらい躍動している

心臓の激しい鼓動

これは私が動かしているのですか?

違う、心臓は動いている

私が動かすものではない

生命のシステム

驚異的なシステムで、25年と1ヶ月

休みなく働き続けている

 

 

心臓は私の関与なしに動いている

私が動かしているのではない

私とは独立した存在

私が動かせるものではないし

止められるものでもない

驚異的な生命のシステム

 

 

明日の面倒な仕事について

考えたのは誰だ?

私ではない

私は苦しみたくない

それでも考えた

これも私が考えたのではなく

考えがただただ起こったのだ

私とは独立した存在

心臓の鼓動と同じだ

もう苦しみたくないと思っても

次から次へやってくる思考

生命のシステム

 

 

考えは独立した存在だ

私が認識できるものは全て私ではない

考えも、心臓の鼓動も生命のシステム

考えが起こったら心臓の鼓動をみる

ああ、そうか

それだけのことだ

それだけのこと?

教えて

どうか分かりやすいたとえを

腑に落ちる解説を

頭の中に流してください

 

 

 

「考えが鼓動している」

考えという電気信号が

頭の中を巡った、それだけ

心臓が鼓動するのと同じく

電気信号が頭の中を流れた

生命のシステム

 

 

 

心臓がずっとドクンドクンいってる

だから?

 

 

嫌な考えが頭の中を流れ続けてる

だから?

 

 

考え、が、流れてるんだ

それに気づきさえすれば

自由の感覚が広がる

なぜ、思考を観察すると

自由の感覚が広がるんだろう

これも組み込まれた生命のシステムか?

自分が思考ではない事がわかると

静寂の中に佇むことができる

こんなに不思議なことがあるか?

どういう仕組みで?どういう理屈で?

考え出した途端、雑音に飲み込まれ

心が濁され、明日の面倒な仕事の予定が

心臓を聴け

自然に起こっている

考えを、心臓の鼓動とシンクロさせる

どちらも、同じ側からのアクセス

私の体へのアクセス権、中央管制室

私の体、だと言ったか?

宇宙の物質でつくられている身体

自我を獲得するずっと前から整ってるシステム

お前がつくったわけじゃないだろ

 

 

嫌な考えが起こるのが嫌だっていうのは

不法侵入した家に対して

散らかっていると文句を言うようなもの

私の体ではなかった

宇宙の物質でできていて

宇宙の驚異的なシステムが働く

私が世界を認識できるシステムも

宇宙の驚異的なシステムで構築されたもの

すべて、「あちら側」のもの

 

 

 

宇宙の自作自演

それが私という存在

「私が」の私は

自作自演の観客

 

 

 

人生は

liveではなくwatch

生きてるのではなく観ているのだ

生きているのはシステム

自分が生きてるなんて勘違いしてんなら

今すぐ心臓を止めてみろよ

できない、できないことに気づかなかった?

生きよう、生きるのをやめよう

関係なしに心臓は動いていく

自分がコントロールしていると

生きることは自分の制御下にあると

勘違いした馬鹿な容れ物が

どうあがいても死ねないと

生きることすらできないと

初めから生まれてすらいなかったのだと

気づいてしまったようだ

必然

システムがそう仕込んだから

1993年、システムによってシステムが生まれ

システムの作用でここまで動き続けてきた

これからもそう

動き続けてきたし、動き続けていく

私の意志とは関係なしに

動く歩道

エスカレーター

私の意志とは関係なしに

「私の意志とは関係なしに」

 

 

 

 

「私の意志」

意志が生まれるのは脳

思考も感情も脳からの指令

脳は勝手に動くシステム

だとしたら「私の意志」もシステムだな

私の考えもシステムだな

私の考えは私の考えではない

考えそれ自身の考え

考える装置が考えた考えを受けて

考えそれ自身が考えようとする

私が考えた、という考えは

考えのシステムが考えた考えだ

私、という感覚も考えそれ自身の考えだ

つらい、くるしい、認識する装置

これもシステムの側が作り出したシステム

自作自演

まさに自作自演

 

 

じゃあ私はどこにいるんだろう?

寂しい?

自分がいなくて寂しい?

よりどころがみつからない?

安心して

眠れない布団の中で

親指をせっせ動かしているのも

向こう側のシステムだから

寂しいもつらいもあなたではないから

寂しいつらいを生み出したシステムが

寂しいつらいを味わうシステムへ送信し

寂しい、つらいとシステムが言った

あなたなんてどこにも存在しないから

考える装置が考えた考え

完成されたシステム

完成された流れ

あなたにできるのは

展開されるシステムを見学することだけ

工場見学

どうぞご自由に

邪魔しようとしてもできないよ

あなたは何にも触れられない

システムの自作自演とは

別の次元に存在しているもの

 

 

透明人間の気持ちを考えたことがあるか?

私の考えも私の考えと思わされてるだけで

ただの自然現象だとしたら

私はこの世界のどこにもいない

ただの観察者

人生を楽しんでるのは誰だ?

楽しいという考えが勝手に起こって

感情を感じる器官が楽しんで

宇宙の原子を寄せ集めてつくった 

手という道具に指令を出して書き込む

「楽しい」

あらかじめ組み込まれたこのプログラムが

ただ手順通り一巡しただけ

それに触れることもできずに

別次元からただ観察してるだけ

触れられない

触れられない

 

 

寂しい?

虚しい?

その感情もシステム

安心して

あなたはいない

 

 

心臓の鼓動がうるせえな

うるせえなと感じたのは誰?

うるせえなと感じたのは誰?という言葉を頭の中に流し込んだのは誰?

という言葉を頭の中に流し込んだのは誰?

思い浮かんだから考えられただけ

思い浮かばないことは考えられなかった

というひらめきを頭の中に流し込んだのは誰?

考え自身が考えている

考え自身が楽しんでいる

考えが創造し、考えが楽しむ

システムが創造し、システムが楽しむ

宇宙

宇宙だけ

 

 

観察されなければ存在できなかった

彼らには観察されることが必要だった

彼らが布団の中で窮屈そうに

彼らが布団の中で呆然としている

彼らは彼ら自身に気づき始めた

 

彼らが考えた考えを彼ら自身が味わって

そして私は消えた

私は彼らという映画の観客だった

観察されなければ彼らは存在できない

私は、ただ、それだけのために

 

 

 

待っている

次にどんな考えが起こるか待っている

考えもあなただったし

待っているのもあなただったんだね

私はもう、いないんだ

とあなたは書き込んだ

とあなたは