らくらくらいふ

おだやかでおちついたきもち、それだけ

 

 

誰にも勝てないと思った

もう誰にも勝てないと思った

入りたかった企業の内定者インタビュー

同じ人間かと思うほど輝かしい大学時代のエピソード読んでたらみぞおちが苦しくなってきて

あまりの人間的なレベルの差に

もはや笑いがこみあげてくるレベルで

すごくおもしろくなって

楽しかったはずのバラエティ番組消して

慣れ親しんだ劣等感に話を聞いてもらうために

布団の中に潜った

外気に触れたくないから

頭から足まで布団の中だ

 

 

 

かたや音楽活動に従事した4年間

かたや布団の中で浪費した4年間

私が大学時代に打ち込んだことは

私を傷つけた人間を頭の中で殺すことです

あの時言えなかったから

頭の中で言おうとしたら

頭の中ですら嫌われるのが怖くて

頭の中ですら言葉が出てこなくて

相手の首を絞めることしかできなかった

言葉で伝えられない馬鹿な人間だから

首を絞めるしかなかった

相手が泣きながら謝ってる姿を想像して

清々しい気持ちになりきれず

布団の中で泣いた

いつもいつも負けた

頭の中で負けた

現実で負けた

優しい人間だと言われたかっただけのクズ

嫌われてないことを確認して安心したかっただけのクズ

だからって謝らねえぞ

絶対に絶対に謝らねえぞ

私が傷つけた人間の痛みと同じ痛みを味わうために削りたてのHBの鉛筆で腕を突き刺した、今あの子がその痛みを忘れていようと、あの日あの瞬間のあの子の痛みは本物だ、いくら時が流れようとあの瞬間のあの子はあの瞬間でずっと私を恨んでいる、痛みを抱えながら私を憎んでいる、人を傷つけておいてのうのうと生きているのが許せない、彼女の痛みと私の痛みは釣り合わない、あの瞬間のあの子に憎まれていることに耐えられない、これは罰だから、せめて彼女と同じ痛みを、とかなんとかいってた2012年の5月、頼むから暇なことしてないで勉強しろよ、自傷行為の真似事程度で許されるような罪ならその後7年経った今も私を苦しめはしなかった

 

 

 

人生を無駄にした

口を開けばすぐそれだ

「じゃあ今から何が出来るか考えろよ」

考える気にならねえよ

無駄にした時間があまりにも重すぎて

無駄にした罪があまりにも重すぎて

布団から起き上がることができないのだ

後悔の重力は地球の重力の7倍だ

人生を無駄にしてからの年数をカウントするたび増していく重力

今頑張ったところで

無駄にした時間は帰ってこない

と言い続けて無駄にした時間

と言い続けて無駄にした時間

と言い続けて無駄にした時間

失敗惑星の周回軌道

後悔の重力に縛られて

 

 

 

頭の中に棲まわせてきた妄想は

いつか必ず現実になるとばかり思ってた

未だに思ってる

だからこんなに遅いのはおかしいんじゃないかって

馬鹿な自分もそろそろ気づき始めた

2012年から持ち始めた、いつか必ず上手くいくだろうという根拠の無い自信

すべて妄想だったのだ

ああ、間違ってたんだ

全部間違ってたんだ

夢みたいだ

ほんとに、夢みたい

生きながらにして死ぬことってあるんだ

この7年のこと、99%記憶にないもの

無駄にした

それで終わり

無駄にした

それがどうした

無駄にした

頭の中で殺した回数

無駄にした

あの子の痛みも

無駄にした

親からの激励メールも

無駄にした

前期学費94万も

無駄にした

何もかも

無駄にした

 

 

 

無駄にしたっていう

途方もなさも

支えを失った虚無感も

寝たらすべて忘れて

また人生の中に自分を見失うんだろう

失敗したことも忘れて

目指す場所も忘れて

それでまた我に返って

人生を無駄にしたって泣いて

それでまた

ああそれでまた

 

 

 

積み重なった自分の死体

その情景を垣間見た

毎晩ここで死んだんだ

そのことを今思い出した