らくらくらいふ

おだやかでおちついたきもち、それだけ

朝から晩まで働く

アルバイトの講師に、自分の仕事の詰めの甘さで怒られて、どういうことですか?って詰められて、「私の至らなさでご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません」と謝罪した。バイトに怒られて、全身の力が抜けて、死んだような気持ちになって、めまいがして、人に怒られること、人に嫌われることの"最低"を完全に思いだした。自分の気持ちを立て直すために、先輩社員にそのバイト講師のことを愚痴った後に、急に恐ろしくなって「絶対に他の人に僕が愚痴ってたって言わないでくださいね!ばれたら講師にボコられてしまいます」って必死さを隠すためにがんばっておどけたメール打って、「大丈夫!言わないよ!」って返ってきて、よかったーって心から安心した瞬間、自分がこの世界で最も下等な動物のように思えて、実際にそうで、情けなくて、情けなくて、恥ずかしくて、保護者の方からもらった「みなさんで食べてください」という思いのこもった高いクッキーをバリバリ食べた。クッキーを次々口に放り込んで、自分はダメな人間だ、クズだ、ゴミだ、とかなんとかかんとかいいながらクッキーをぽいぽい口に放り込んで、あの講師の分も食ってやるとクッキーの個包装をびりびり破いてバリバリぼりぼりむさぼってたら、目頭が熱くなってきて、鼻の奥がツーンとして、クッキーもそもそむさぼりながら涙をノートPCに落とすこの世で最も下等な動物に成り下がってしまった。情けない大人になってしまった。くだらない人間になってしまった。

 

 

 

時計を見たら深夜1時30分。残業なんていつものことだが、今日はなぜか帰りたくないんだ

 

 

 

自分の時間が奪われるって言って嘆いてるその「自分の時間」っていうものにゴミほどの価値もない。ゴミみたいな自分が楽しい気持ちになるためのキモい時間なんて何の価値もない。どうしようもない。キモい。明日が怖い。自分の時間なんて何の価値もないんだから、全部の時間を、自分のすべての時間を、会社のために使えよ。結局、明日、何もせずに休んだところで、自分の時間を過ごしたところで、明日の不安はぬぐえない。明日が楽しくても、あさっては地獄だ。自分の時間に価値はない。趣味の時間に価値はない。ゴミみたいな自分がゴミみたいな自分のために使う時間は総じてゴミなのだ。わっはっは、死ね死ね死ねって3回言っちゃった。言うのはタダだから。ぼりぼり食べたクッキーのゴミ、こんなに高いシャトレーゼのクッキーを、こんなに乱暴に食べてしまった。ごめんね。びりびりに破いた個包装。講師に見つかったら役立たずのくせにクッキーだけは食べるんだ、きもちわる~って言われるかもしれないからそそくさとおうちに持って帰るね

 

 

 

職場にいるのに、職場に行くのが怖いっていう気持ちになってる。この嫌な気持ちのまま、人に嫌われた、絶望感を纏ったままうちに帰りたくないな。と思うとなぜかまた涙がでてきちゃった。うちにいるのにうちに帰りたいときはあるけど、帰りたくないし、帰るのがこわいし、今帰ったら、人生から逃げている気がして、今度こそ負け組になる気がして、帰れない。寒い。本当に自分をすべて、すべての自分、自分のすべてを破壊したくなるな。仕事ができない自分を破壊するためには、やっぱり、自分の時間というものをすべて潰すことなんだよ。俺の人生は俺のためにあるのではないのだ。わはは、死ね死ね死ね。

 

 

 

朝から晩まで仕事をしたら、この憂鬱が晴れるのか検証する。

作品名:HOME

朝から晩まで仕事をして、起きている時間のすべてを、働きたくない会社のために使うことで、自分の価値観もすべて溶けて、毎日安心して眠れるようになるのかを検証する。憂鬱がすべて消えるのか検証する。職場と家の立場を逆転することができるのかを検証する。職場に「ただいま」と言って帰って来れるのか?そうなることが本当の安心かもしれない。職場で安らげたら、それはもう人生を制覇したも同義だ。職場におびえて、働くことにおびえて、それだけが、人生のつらい側面なんだ。つらいこと、面倒なこと、悲しいこと、苦しいことに慣れたら、それをホームにできたら、どれだけ楽に生きられるんだろう。結局のところ、自分は楽になりたいんだ。楽になりたいだけだ。楽になるために生きているんだ。必死にキーボードたたいて、深夜1時30分。ここに楽はない。生きるのが下手らしい。生きるのにうまい下手が明確にあることを知った。今日は帰りたくない。この絶望感、無力感を抱えたまま家に帰ったら家が汚染されてしまう。大事な家が。唯一の居場所である家が。汚染されてしまう。この世で最も薄汚くて情けない下等動物に

 

 

 

ボロ雑巾っていう単語がぽんと頭に浮かんだ。ストンと腑に落ちて。あ、いまボロ雑巾なんだと思った。すごくしっくりきた。下等動物ってかっこいい表現をしてしまったけど、ボロ雑巾なんだ。汚水をたっぷり吸い取ってバケツのふちで涙をぽたぽた落としている。世界を殺す方法をずっとずっと考えて、涙が、ひとつ、ふたつ