らくらくらいふ

おだやかでおちついたきもち、それだけ

広大無辺

 

私はただ苦しみを感じ取るためだけに存在していているらしい

これもくるしい

これも、くるしい

苦しみを感じ取る器官のことを私と呼ぶ

私さえいなければ

深夜2:20、暗い7帖の暗い布団の中

私さえいなければ

世界には何の問題もなかった

苦しみを感じ取る器官のせいで

苦しみを感じ取ってしまったから

世界に苦しみが出現した

世界は苦しみだった

苦しみのフィルターを通してみるから

世界がどんなに美しい姿を見せようと

世界は苦しみだった

苦しみのフィルターを通してみたから

世界は苦しみだった

私こそフィルターなのだから

私こそ苦しみそのものだから

 

 

 

私は明日が来るのを恐れているが

明日が来るのを恐れている私がいなければ

明日はあるがまま明日だった

室温10℃はあるがまま室温10℃で

それを寒いだとか苦しいだとか

悲しいとか切ないとか

汚い布団だとかあたたかいストーブがほしいとか

苦しみに仕立て上げるのがあまりにうまいので

安月給の仕事を手に入れることができたよ

現実に文句ばかり言ってるくせに

現実は僕の味方であれと思っていたんだ

汚い言葉をなげつけてるくせに

美しさや楽しさを見せろと要求してたんだ

文句ばかりいってたら嫌われて当たり前だ

嫌われたんだから嫌って当然だ

 

 

 

 

嫌いな人間と嫌われてる私が

廊下ですれ違う時の気まずさ

「死ね」と言われた

悲しくて、悔しくて、苦しくて

自分は悪くないと誰かに分かってほしくて

悪いのはあいつだ

あいつが悪いんだ!

死ぬべきはあいつだ

死ね、死ね

「死ね」と言い返せなかった後悔を

11年間大切に育ててきたから

当然の帰結として

卑屈な人間になってしまった

人を殺す妄想で気持ちよくなれたらよかった

人を傷つける妄想がこんなに上手いのに

どうしていつも自分ばかり責めるんだろう

椅子の上に画鋲敷き詰めて座ろうかな

混乱と痛みでパニックになった私をみて

笑いを堪えきれなくなって大声で笑ってた

あいつの喉元にカッターナイフを突き立てるのが今の私の夢なんです

「つらかった、苦しかった、ずっとずっと苦しかった、謝ってくれ、お願いだから謝ってください、謝っても許さないけど、謝ってください、お願いします、もう頭の中に現れないでください」

震える手でカッターナイフを握る25歳の負け犬と

余裕の表情でそれを嘲笑う14歳の君

今日も何も言えなかった

妄想の中で負けた

11年間負け続けた

 

 

 

眠れないからりんごを食べたよ

ガコッ、ガコッ、がしゃりがしゃり

だからなんなんだよ、で

りんごを流し台に放置して

寝ようとしたけど、寝たら朝だから

仕方なくファミマドーナツを食べた

チョコパイ買ったらおわりだよ~

だからファミマドーナツ買ったんだ

ファミマドーナツ、食べたくなかったけど

明日が来るのが嫌だから食べた

だからなんなんだよ、で途中でやめたけど

やめたところで明日は来るのだから

黙って食べた。全部食べた。

おいしくなかった。

お腹が苦しかった。

気持ち悪かった。

明日が来るのが嫌だった。

りんごが茶色くなった。

明日が来るのがこわいって言い続けて

死んでいく生き物の名前、今度教えてよ

自分という存在が

忽然と消えた明日を想像して

それでもうまく回る明日を想像して

虚しさに癒される不思議な生き物の名前

今度、教えてよ

 

 

 

 

何のために生きているのか

なんて知りたくもないねって言うんです

何のために生きている?もいらないし

どう生きていきたい?もいらないねって。

幸せになりたいっていう思いが

幸せじゃない今を生み出してるんなら

幸せになんかなりたくないねって。

幸せにならないとしたら

生きている意味は無いねって

確かにそう言ったから

「じゃあ死ぬ?」

ってきいたら

動かなくなっちゃって

もう動かなくなっちゃって!

死んだ魚の目って

どこも見ていないのではなくて

虚空を見つめているんだって私気づいて

生が、エゴが、苦しみが、私が

存在しない世界を見つめてるんだって

ああ、そうか!

その視線の先が答えなんだ!

私は虚空を見つめて生きればいいんだ!

って

 

 

 

無駄な文章を大量生産して

2時間が経ってしまった

どうだ?幸せか?楽しかったか?

明日から逃げて幸せは得られたか?

睡眠時間減らしやがって

くそ、くそ、死にてえ

わけねえだろ

ああ~たすけて~~~

の~~~のビブラートがうますぎて

危ねぇ、ブラボーと叫ぶとこだった

切実な思いは素敵な音色を奏でるね

ドはどうすれば良かったんだろうのド

レは冷笑のレ

ミはみんなみたいになりたかったのミ

 

 

 

 

ハンドルを握る手をはなした

この車はAIによって自動制御されてることを

手を離してようやく気づいた

25年も乗り潰した車

宇宙の叡智で作られた身体

宇宙の叡智で作られた脳

すべて宇宙の成分でできていた

私とは宇宙だった

    とは宇宙だった

            宇宙

 

 

 

 

宇宙。

世界。

それだけ。

以上。